● 2022年12月27日
東北ちょっと昔の風習「礼人=れいと」・「舅礼=しゅうどれい」

 1月2日は、新婚夫婦が嫁の実家へ挨拶に行く日。3〜4泊位してくるのだそう。遅くても6日までには嫁ぎ先へ戻るとする地域もあるようです。結婚後3年間続けなければ嫁を取り返されるのだとか。岩手県や山形県の地域にある風習のようです。
 昭和50年代の聞き取り調査でもまだ行われていたようで、礼人や舅礼などと言われています。「しゅうど」は「しゅうと」が訛ったのでしょう。
 土産に持って行くものは、酒を2升樽で2つ、また酒と魚と1臼の量の餅などで、実家では礼人が来ると言って親戚などを招き祝う。
 他には、1月1日に分家が本家へ挨拶に行く「正月礼」、小作人が1月1日に地主のところへ酒を持って挨拶に行く「正月礼」、一人前になった職人さんが1月2日に師匠に酒や魚を贈って礼をする「師匠礼」、また舅礼とともに仲人にも挨拶に行く「仲人礼」、5月5日に新婚夫婦が嫁の実家へ行く「節供礼」といった風習などもあったようです。
 人と人や家と家などの付き合いや礼を大切にし、共に助け合いながら暮らしていた時代の風習なのですね。今でも行われているのでしょうか。宮城県内にもこういった風習があったのか、記録として残されているものを見つけることは出来ませんでした。周知の事実等と相違がございましたらご容赦ください。

● 2022年10月20日
櫃とカロート

 櫃(ひつ)とは、被せ蓋の付いた木箱のこと。その昔から現在に至り様々な収納に用いられている。
 脚が付いていないものは倭櫃(わびつ・やまとびつ)と呼ばれ、ご存じのように長持や茶櫃は代表的なもの。この倭櫃に対し4本又は6本の脚が付いたものを唐櫃(からびつ・からうと)といい、宝物や衣服、文書、武具などの収納に用いられてきた。
 また、棺としても用いられたことから、墓石下の遺骨を納める納骨室を、「からうと」から「カロート」と称するようになったと言われている。「からびつ」が訛って、「からうず」・「からうと」・「かろうと」になったとか。

● 2022年09月13日
「棺」と「柩」

 「棺」はご遺体を納める木箱を表し、すなわち木棺で、石で造られたものは石棺です。「柩」は、棺にご遺体が納められた状態を表す。
 「久」という字は、身体を起して支ている様子を表し、そして棺(箱・匚)に納められ、これが「柩」という字なのだそうです。手足の関節を曲げた状態で埋葬する「屈葬(くっそう)」という古代からの埋葬方法があり、「身体を起し背中を丸めてうずくまるような姿勢=久」で埋葬されました。土葬の時代には、坐った格好で膝を両手で抱えた姿勢で座棺(棺桶)に納めました。
 現在は寝かせて納めるので寝棺となり、体全体が伸びた状態で埋葬するので、前述の屈葬に対して伸展葬というそうです。
 ご遺体を棺に納めることを「納棺の儀」などと言い、火葬場までお乗せする車は「霊柩車」と言いますね。漢字の由来やら、こんな事のようです。


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